カフェラテに描かれたラテアートを目にしたことがある人や、言葉を聞いたことのある人は多いと思います。
しかし、どういう原理で、どのような手順で描かれたかまでわかる人はそう多くはいないのではないでしょうか。
今回はラテアートができる基本原理と、それを応用してどのようなラテアートが作れるのかを、ラテアート業界で呼ばれている名称も用いながらおおまかに書いていこうと思います。
自分が見た(描いた)ラテアートがどのような技法を用いて描かれたか、どう呼ばれているか当ててみましょう!
1.ラテアートは何でできている?
ラテアートは、色の濃い液体と牛乳でできています。
たとえば色の濃い液体とは
カフェラテに描かれたラテアートであれば、エスプレッソ(ものすごく濃くて粘性のあるコーヒー)
抹茶ラテであれば、ごく少量の水で溶いた抹茶
ほうじ茶ラテやココアも同じです
そして牛乳を使用しますが、
牛乳はそのままではラテアートを描くことができません。
なにが必要かというと
「温めて泡立てる」
という作業です。
ラテアートの「絵の具」にあたる泡をつくります。冷たい牛乳は泡立てても泡がすぐ消えてしまうため、40度以上くらいには温める必要があります。
これは蒸気を利用したり、泡だて器を使ったりすることで泡立てることができます。
2.ラテアートの基本原理
紙に絵を描くときには、「紙」に「筆」で「絵の具」を使って絵を描きますよね。
これをラテアートに置き替えると、「エスプレッソなどの素材(紙)」の上に「ミルクピッチャー(筆)」を使って「泡立てたミルク(絵の具)」でラテアートを描きます。
ものすごくわかりやすいですよね。
自分で考えたたとえ話なんですが、我ながらうまく表現できていると思います(笑)
実際に作っているところがこちらです。
3.エッチングとフリーポア
色づいたキャンバスにただの白い丸が浮けば、それはもうラテアートです。
これは、ミルクピッチャーから注いだだけの状態です。これを「フリーポアラテアート」と呼びます。
白い丸だけでも、ピッチャーから注いだだけの状態であれば「フリーポアラテアート」ですが、次項で触れる高度なテクニックを用いるとさまざまな柄を描くことができます。
ここから爪楊枝などで表面に加工を施すことを「エッチング」と呼び、エッチングが施されたラテは「デザイナーズラテ」や「デザインカプチーノ」などと呼ばれます。
4.流す系と乗せる系
さらにフリーポアラテアートに焦点を当てて踏み込むと
「流す系(対流)」と「乗せる系(Drawing)」
の2つの描き方に大別されます。
ここまで言及しているブログはなかなかないと思います(笑)
流す系とは、注ぐミルクの勢いを利用してカップ内の液体に対流をつくり、その流れにミルクの泡を乗せて描くアートです。
ラテアートに力を入れたカフェなどで見るのは、この流す系がほとんどだと思います。
乗せる系は、大きな対流を起こさずに泡を乗せるようにして描くことからその名がつけられました。ピッチャーをまるでペンのように使って描くことからDrawingと呼ばれることもあります。
このタイプのアートは、(私の得意とするアートでもあるのですが)目にしたことがある人は少ないと思います。
その理由は主に2つあります。
一つは、非常に難易度が高いこと。
もう一つは、素材がエスプレッソの場合、性質上提供できる温度帯(約55℃)では複雑なアートを(高いクォリティで)描くことが不可能だからです。
エスプレッソを素材とした場合、ミルクの温度をぬるくしないと複雑なアートを描いている途中からにじんでしまい、汚らしい仕上がりになってしまいます。
しかし、抹茶やほうじ茶、ココアなどを素材とした場合は、高温のミルクでもにじまずに描き切ることができます。
5.まとめ
以上で、ラテアートができる原理からその応用を簡単にまとめてみました。
フリーポアやエッチング、対流やDrawingの名称を知っていると、少し通に思われるかもしれません(笑)
実際に目にしたラテアートがどのような技法で描かれたのか想像して飲むと、ラテアートの施されたラテがもっと楽しくなると思います。
また、ラテアート(特にフリーポア)は見た目以上に難しいです。
だからこそ奥が深く、ラテアートマニアや中毒者が全国各地に点在位しています。
敷居が高いと思われがちなラテアートですが、案外手軽に始められます。instagramやYOUTUBEでは世界中のラテアーティストが動画をアップしています。
このブログではお家でも安価にラテアートを始められる方法やアートの描き方など紹介していく予定ですので、楽しみにお待ちください!